春、更に。

 たぶん自分が聴き逃しただけなのだろうが、NHK FM のクラシックカフェで、しばらくモーツァルトがかかってないなと思っていた矢先、今朝radikoをつけたとたんにMozart Piano Concerto No.27が鳴りだした。
春、
『3月はこの曲からスタートするんだぁ、』と、なんとなく何かを納得して、はやく第三楽章にならないかな〜と鼻歌まじりに気持ち良く髭を剃っていた。
しかしその瞬間、そういえば先日はベートーベンの田園を夜中にかけて春を一足先に取り入れたことを思い出したけど、今朝の方が3月始まりっぽい!と考えを改め、調子いいけどまぁいいかと自分を納得させた。
そしたらその次の曲はもっとステキで、K596「春へのあこがれ」が。
この曲の譜には「楽しげに」という指示があるらしく、それを知ったぼくは『そうなんだぁ、うんうん』とまたまた納得し、更に調子のいいぼくは殊更に春を感じてしまった。
 
芽吹く春、
暖かな日差しを喜ぶ生命在るものは、当たり前の時の流れを感じるだけでなく、その時しか得ることのできない一瞬を敬うような気持ちになる気がする。
出逢いはいつでも一瞬のできごとだったと感じる。
しかしその出逢いが人生を変え、その一瞬を一生敬う気持ちになることに尊さをもが生まれる。
僕らの仕事は常にステキな出逢いを願い続けなければならない故に、その出逢いに当たり前を感じることなく、一本の電話、一本のメールから始まる出逢いに心底感謝しそれを持ち続ける。
出逢いに感謝なのだ。
 
日曜日にsophieの散歩で公園に行ったとき、小さい子供を連れた家族が春の遊び方になっていた。
その日はぼくも上着を一枚脱いでアディダスのトラックジャケットにした。
片耳だけイヤホンをつっこんであのモーツァルトを聴きながら、もう片方の耳で春の足音を聴きながら鼻歌まじりでいつものコースを一周した。
 
 
 
 
 
 
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長持ち

この歳になるとなのか、ここまで生きているから感じるのか、本当にそういうものなのか、はたまたぼく自身が長持ち好きなのかはわからないが、とにかくまわりに古くなったものが多いし、その長持ちがまたいい感じに思える。
長持ちとは言いづらい話しだが、昨年、いや正確には一昨年前のこと、4,5年履き続けていた冬場だけ活躍するスタッドレスタイヤを調子に乗って雪山に履いていき、とんでもなく恐ろしい目にあったがこれは長持ちというより不精で、しかももったいない病が露わになっただけのことか。
 
ぼくは服をリフォームするのがとっても好きで、近くのお直し屋さんの先生とあーだこーだ言いながら古い服に少しトレンドを入れながら新たな使い方を探す。
FBに「林は年に何本もズボンのおしりが破ける」と書いてあるが、これは本当で、でもぼくから言わせると、あの格好良くステキな撮影スタイル(笑える撮影スタイル)がいけないのではなく、古くなって弱った生地のせいが多大にあると思う。破けるのは古いものがほとんどだし。
先日もコーデュロイのが破けた。コーデュロイは破けにくい気がするけど、それほど長く履いていたんだと思う。思い出してみるとたぶん2007年に買った気がする。
だけどそんな変な失敗もあるのだが自分ではこの感覚を結構気に入ってて、だからこそ買い物は慎重に慎重を加し判断することで正解をつかむことがとても多い、と自負したいけど、あまりに考えすぎて元に戻ってしまって結局安物買いの銭失いをしてしまうこともあるのも確かだとも思うからあまり威張れることじゃない。
ファッションの話しを続ければ、長持ちの話しから離れてしまうが失敗話しをひとつ。これはとくに気をつけてる。ファッション大好きだし。
誰もがあるあるの経験だと思う…いや思いたいが、買ったけど一度も着てないヤツ。
正月休みに断捨離(これも真似ごと。本気でデキない)をしたときも何故かタグ付きプレミアムデッドストックになってしまった服が出てきてしまった。イヤイヤこれはストックでしょ、、、と言い聞かせようとしたとたん、口から
「あああ〜〜〜〜、、、。」と出てしまった。
まあ、幸いぼくには息子という強い味方がいる!と言いたいが、オッサンの趣味など好まれるわけでもなく、しかももうとっくに背を超されていた。
ダメだ、、、と、いよいよ反省文を書かなくてはならなくなったとき、天使が微笑んだ。うちの奥さまだ。
「着ないならリサイクルに出すからちょーだい。」
ときどきぼくの大量の本を処分するときに家中が段ボールだらけになることがある。
その一角にファッションコーナーとも言える洋服詰めの箱を見たことがあった。
前に一度聞いたのだが、何社かのディーラーと取引(要するにリサイクル屋さん)があるらしくその店の得意不得意によって仕分けしているらしい。
それがお金にかわるのか、誰かの役に立つのか、ゴミにしなくて良かったという気持ちにかわるのかはわからないが、やっぱり反省文は免れないな、と思った。
 
序文が長くなってしまったね、まだ序文?笑 ちょっと短く書こう。
これはぼくがとても大切にしているストール群。群というほどないな。
時期的には防寒のためにマフラーにすることが多いけど、巻き方を工夫するとちょっとオシャレになる気がする。
ベルベット生地はぼくの大のお気に入りだ。
子供のころ母からもらったベルベットのベレー帽から始まり、それ以来この柔らかな美しさに魅了され、物心ついた20代(遅)にはファッションにかなり取り入れていた。
ストールだけじゃなく、ジャケットやパンツもあるが、もちろん全部一緒には合わせない。そんなの当たり前だけど一応書いておく。
でももう2月も中旬を過ぎたから、大好きと言ってももうこの生地は終わりということで、その中でも最も古いだろうブラックとシャンパンゴールドのストライプのストールをリメイクした。
両端にベルベットのフリンジがついていたのだが、そのモヘヤのようなベルベットの部分がハゲハゲになってしまったので思い切って切り落とした。切り落とす前の写真を撮っておけばよかったな。。。
正直、エレガントさが無くなってしまって寂しい感じになった気がするけど、これはこれで “気軽に巻ける感” がでてなかなか良いとも思った。これでまた長持ちさせられる。
というわけで、
こんな話はまだまだ出てくるから気が向いたらまた書こう、としたけど最後にもうひとつ、
トレーニングウエアの長持ちはちょっとキケン、じゃなくてかなりキケン。
お気に入りだったけどプーマのロンTはかなりヤバかった。
運動し始めは良いのだが身体が温まってきてうっすら汗をかきはじめると、なんと、ステキないい香りを発するようになってしまった。
GYMにいて、ん?くさっ!と感じてしまったのだ。
これには焦った、汗で焦った。(笑うとこ)
これはサスガに、お気に入りにもほどがある(汗)と思い、すぐにおNEWを買いに行った。
あ、思い出した、
以前にプーマのシューズのことも書いたね。
今考えれば、これも長持ちの話しだね。
今のクルマも10年乗った。その前のクルマは18万キロ走った。
結婚して20年目を迎えた。これを長持ちに入れるのはいけませんね。笑 感謝です。
長持ちに大切なのは、そこに信頼があるかだと感じる。家もそうだね。
長持ちさせようと思いながら使うのはとても大切だけど、何も思わないでそのものをずっと使い続けられることは、その価値を最大に理解しているということかもしれない。そしてその価値を全うしてあげられることこそ、そのものを選ぶ側の責任なのかもしれない。
ぼくは作り手の責任として常にそんな価値を創りだしたいと思っている。
 
趣味趣向の話しをするのはちょっと照れくさいけど少しだけ…いや、たっぷり書かせていただきました。
くだらない長文を読んでくださりありがとうございます。
 
 
ヤツとの約束(過去ブログ)
真剣な撮影スタイル(FB)
 
 
 
 
nagamo
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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らしさ

自分でこしらえるのなら生意気も言えるのだが、どの野菜がどこにあるのか、冷蔵庫の中にあるのかもわからないときがあるのでいつも奥さまに手伝ってもらう。
恥ずかしいな。こう書くとよけいに。
今日は何を入れようか、ベースを決めておおよその分量を用意、
かき回しちゃえばわからなくなるだろうけど、入れる順番はこだわったりして美しさも楽しみたい。
 
先日、医療関係の研究開発をしている博士からジューサーミキサー?というのかブレンダーというのかわからないが、野菜ジュースをつくる機械によって効能に特徴があると聞いた。
とてもうなずける話しだったな。
 
ぼくの好きな具は(具であっているのか?)
にんじん、
ほうれんそう、
ケール、
セロリ、
フルーツ系は、
ブルーべリー、やキウイ、
バナナはもちろん、
何でも入れちゃうけど、ちょっとだけミントを入れたりするとスッキリ感がでて美味しい。
ちなみに、イチゴはもったいなくて入れられない。大好物なのでそのまま食べる。
 
正直、この時間を楽しめるのは日曜日の朝になってしまう。
日曜日専用のお気に入りのボディシャンプーでシャワーをしたあと軽く身体を動かしてそのままジュース工場へ。
和食にもシリアルにも合うジュース&スムージーはぼくらしさを保つ大切なひとつ。
 
 
 
 
rashisa
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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回帰

 明治神宮で破魔矢(守護矢)を頂き、今年当てる的に向けて弓を引く。
射る先はいくつも表われるが、欲張らず的はとっくに絞り済み。
さっそく息をとめてみた。
 
あれからテープレコーダーの逆再生は頻度を増し、それは、ぼくはどこかに連れて行かれてしまうのではないか?と感じるほどになった。
ぼくにとって昔のお客さまは、あえて失礼承知で申し上げるなら、共に将来を語った同士のよう。
そんな夢を語りあった大切な同士から、時には日に二方から電話が鳴ることもあり、都度新しいご相談を頂いた。
とにかくそれは幸せなことで、我々のような仕事は、毎月買いに来てくれる常連さんがいるわけでなく、そのような形のお付き合いはもちろん皆無であり、本当はちょっとそんな頻繁なお付き合いにも憧れるのだが、逆に久しぶりに声が聞けて、なおかつお目にかかれるとなった日の感動は、もしかしたらこの上なのかもしれないとも感じた。
 
お客さまは皆、本当にお変わりない。とにかくポジティブ。
ぼくにとって皆さまがポジティブで元気でおられることはそれはそれは嬉しいことで、喜びの度を超えて、自らを見つめるきっかけになり、そして戒めにさえなる。ありがたいんだ。
お子さまがいらっしゃるご家庭では、いつも笑顔を振りまいてくれたあの子があの当時の面影を残しつつ、時を超えたのでは?と思うほど立派に成長された姿に出逢う。そしてそのときに見える、子を見つめるご両親の微笑みは、あの当時とまったく変わっていない視線。そこに愛が溢れ続けているんだということを感じてぼくはとても安堵する。
ぼくは、この家には幸せが住むと確信した。
ぼくらは家を造り上げただけだけど、そこに愛と幸せを育て造り上げてくれている気がして、こちらも失礼極まりない言い方だけど、とてもありがたく感じてしまうんだ。
 
ぼくは人それぞれの様々な生活スタイルと面会をする機会が非常に多い仕事だが、その暮らし方の中に、なぜだかまったく同じものを感じることが多い。
何というか、一言でいうのはとても難しいけれど、皆がとても大切にしていること、それは「時間」ではないかと。
それは誰もが感じていて当たり前のことなのだが、そのような単純なことではなく、時間というその価値にリスペクトすらして、それを大切にし、楽しんでいるような、洗練された時間を過ごしていられる気がするのだ。
時間に追われるのではなく、時間を楽しむ。
もちろん追われる時間もあるだろうけど、それをもご自分にincludeしている感じ。
 
ひとたび携帯電話が鳴り、そこに表示される大切な方のお名前を見たとたん、ぼくは背筋が伸び原点回帰する。
ぼくにとってこの大切な方は、ぼくが駆け出しの頃、そして、まだまだ甘ちゃんだった頃のぼくに戻してくれる唯一の宝。
日々繰り返される新たな出逢いも、いつかはこの宝になる。それは必ず。
だからこそぼくは沢山の思いを巡らせながら本当の意味でのオハナを実践する。
ぼくらを本気で大切にしてくださったお客さまを、ぼくらはもっともっと何倍も大切にする。
そう、家族はいつもそばにいるのだ。
 
 
 
 
昨年から大変多く昔からのお客さまからリピート工事のお声を頂いておりまして私たちはとても驚いておりました。もしかしたら、これを読んでくださっているかもしれませんね。
感謝です。心から。
これはとても幸せなこと、そして我々建築士の冥利に尽きます。
私は毎年この時期に初詣に行き、家族やスタッフ、そして大切なお客さまの健康と繁栄に掌を合わせることで自分を見つめ己を創りだしています。これは私にとってとても大切かつ必要な時間です。
今年も素晴らしいお客さまとの良き出逢いに胸膨らますとともに、昔のお客さまとの笑顔の再会を祈ってきました。
 
 
テープレコーダーの逆再生 のブログです。
 
 
 
 
 
 
 
kaiki
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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謹賀新年

昨年中は大変お世話になりありがとうございました。
毎年のようにこのブログに書いておりますが、私たちにとって何よりも幸せなことは年越しの仕事を持たせて頂けていることです。
昨年の夏、秋〜冬、そして年末より着手させて頂いている数々の物件がそろってこの年越しを迎えられていることにより、私たちがゆっくりお休みを頂けているのはとてもありがたい話で、今こうしてこのご挨拶を書いているそばからお客さまの顔が次々と浮かんでまいります。
私たちが行うことはただ一つ、
それは「私たちを信じてくれたことに感謝をし、最高の家をつくること」のみです。
今年もエムズデザインは、< 知識 + 技術 + 心つながるご対応 >の3つを持って全力で走り抜けます。
 
 
 
本年も社員一同どうぞ宜しくお願い申し上げます。
株式会社エムズデザイン 
代表取締役 林正晃
 
 
 
 
 
 
 
 
 
2018年 活動をお知らせします。
(以前から既にご提供しているメニューもリニューアルしました。)
 
★<profumo> Hi Class Architecture
高級住宅を専門に承るハイクラスアーキテクトチームが再編成されました。
ワンランク上の < プロフーモ > は「品」と「上質」を重視した設計。
さりげなさに趣を置いた高級感漂うデザイン設計をおこないます。
※新築注文住宅、大規模リノベーション(戸建て&マンション)にてご対応します。
 注: ただ今HPリニューアル中です。
 
 
★<北欧の住宅設計>  高機能設計&シンプルデザインProject
高性能な断熱の方法、全館空調システム、自然素材の目利き〜調達、
豊かな表情をかもしだす高性能の窓、など、
ヨーロッパ北部の断熱と、自然を重視した住宅設計&デザインをおこないます。
※新築注文住宅、大規模リノベーション(戸建て&マンション)にてご対応します。
 
 
★<予算別 フルリノベーション>  スケルトンリフォーム
フルオーダーの設計ではなく、選択の巾を少なくすることでご希望の予算でハイクオリティな設計をおこないます。
※マンション、戸建て、にてご対応します。
 
 
★<Garage & Green> ガレージ&グリーン ランドスケープアーキテクチャー
家とお庭とガレージの3つをトータルで考えることで一つの世界観を作り上げます。
お庭づくり、植物の選択に伴う、アプローチ計画、車好きのための高級ガレージ設計、
セキュリティと見た目を重視する外構、エントランスの設計をトータルでご提供します。
 
 
★<部屋に合うベストな家具を制作&トータルコーディネート>
あとから買い揃えるのでなく、最初からステキな家に住みたい方のために、テーブル、ソファ、ベッド、
電化製品など、すべてのコーディネートを承る「フルコーディネート提案」をいたします。
(ローンに組み込み可能)
 
 
★銀行、信販、ローン相談・引っ越し業者ご紹介・仮住まい相談・土地探し、中古住宅探し、など、
ご相談をおこないやすいように「家づくり付帯相談」を総合窓口にしました。
 
 
 
以上、重ねまして本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
 
 
 
 
 
 
 
 
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振り返れば。お礼

いい年だった。
ここ数年の中で最良な年だった。心からそう思う。
昨夜、万年筆のインクが所々こすれた手帳のページを一ページずつ見返し、
googleカレンダーをweeklyで遡っていたらスッと瞼がおりた。
目を瞑って見えるものはすべてが美しくありがたいものばかりで、
そのときの空気感だけでなく、においや温度までが蘇ってきた。
鼻から息を大きく吸ってぼくは音楽をかけた。
人は出逢いでしか幸せを感じることができないのか。
それこそがすべてを掌るものなのか。
さまざまな出逢いが今この時間を創りだし、
その時間を追うことでまた未来の幸せを創り出せる気がする。
いま、ワクワクがとまらない。
2018年に起こる幸せを目前に、今日また感謝と約束をする。
 
 
 
 
今までのお客さま&今年出逢えたお客さまへ。
本年はありがとうございました。
ぼくは感謝という言葉を多用するけど、それしか伝えようがないと。
そこには正直があったことをご理解いただけたでしょうか。
最良な家づくりのあとは、安心なお付き合いを約束します。promise
 
心から感謝、感謝、感謝。
ありがとうございます。
 
 
未だ見ぬ、未だ出逢えていない未来のお客さまへ。
これを読んで下さったのもの何かのご縁、
私たちがお役に立てるかわかりませんが、もしかしたら…、
と感じて下さったら勇気を出してご一報ください。
未だ見ぬあなたとのステキな出逢いを夢見て。
 
最良の設計を、最良の技術で、
技術屋エムズデザイン一同。
 
 
 
 
 
 
 
 
2018年もどうか良いお年をお迎え下さいませ。
エムズデザイン 林正晃
 
mil
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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シクラメンを買って帰ろうと思った。
ちょっと大きめでしっかりした株のヤツがいいと。
頭の中ではなんとなく、予算四千円台みたいなわけわからん根拠が思い浮かび、そりゃ高い!とかムリムリ足りないだろ!とか、まあ店に行ってから考えればいいかと、でも色は何色がいいかと…。
店前にならぶ鉢を見てすぐ決まった。
パープルがいい。
珍しかった。パープルのシクラメンてあったっけ?って考えるのと、パープルのシクラメンなんて知らない?っていう混乱が捲き起こりどちらが本当かわからなくなった。曖昧すぎるがまあいいや。
でも金額が…。
迷って迷ってウロウロしだすぼくに店員さんが、プレゼントですか?って。
はい、そうです。と答えたあと、小さい声で、ぼくに… って呟いた。
シクラメンは長く咲くから、と半ばこじつけの購入理由をぼくに叩きつけて思い切って買った。
 
プレゼント包装をしてもらったパープルシクラメンを片手にぶら下げた帰り道、何度かのぞき込んで紫色を楽しんだ。
その瞬間、やっぱり良かったと思った。
パープルシクラメンは他の色のものよりちょっとだけ小さくてこぢんまりとしていたが、部屋に置いたらちょうどいいサイズだと感じた。
いつもここにあればいいのに、と感じた。
いつもここにあれば、こんな風にいつもステキな気持ちになれるのかなと思ったから。
だけど、いつもここにあることが当たり前になって、あることのありがたさが感じられなくなるのかな?とも感じて、しかしそうではなく、それを超えてしまえば、いつも手をかけてあげることが当たり前になり、常にありがたさを感じていられるのではないか?とも思った。
 
上手に育てる自信はまったくないが、パープルを楽しむ自信は満々。
だからこれはうちの奥さまに捧げることにして、ぼくは横目でそれを楽しむことに変更した。
 
 
 
 
 
 
 
 
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妙な時間に弟からかかってくる電話はこの歳になるといつもどきどきする。
案の定良い話ではなく、開口一番にその事実を告げられた。
「今朝はあったんだ。確実にあった。」
ということは、真っ昼間にどうどうと盗難にあったということか。
一人では持ち上げられても運ぶのは結構きつい。ならば車でか、と。
警察が来てくれて一巡が済んで、残念な声で二回目の電話がきた。
 
そのとき母は入院中だったからぼくは弟が余計な心配をかけないほうがいいと思って口止めをしようと思ったら、もうすでに言ってしまっていた。
まあ事実だから仕方ない。
ほどなくして母は退院した。
病院から戻って本堂のいつも置いてある場所を見、お賽銭箱の跡が四角くしっかりついた床板を見つめて言った。
戻ってきて欲しい、と。
 
本堂のお灯りと祈祷は弟がやっているが、
お稲荷さまと掃除はぼくが行っていて、あの日から、ご参拝に来て下さる方々のお賽銭はその床板の四角い跡のそばに置いてあるようになってしまった。
小銭が出っぱなしになっているのはあまり良くないなと思っていて、代わりになる仮のお賽銭箱とこの事実を告げるご挨拶文を書いて設置しようと思った。
 
このお賽銭箱は、もちろんぼくが生まれる前からある。
過去に二度、盗難の危機にあった。
一度は夜中1時ごろ、ぼくが寝る間際に変な物音がして覗きに行ったら犯人とばったり遭遇して未遂。
二度目は、完全に盗まれて、近くの公園に壊されて捨てられていた。
そんなことが過去にあったから、弟はすぐにその公園に行って探したし、ぼくもたびたび近辺を気にしてみていた。
しかし今回はそんな物語りは無いなと半ば諦めはじめていた。
 
 
その日は本社で仕事をしていた。
すると町内の大御所というか、近所のおじさんがぼくを呼びに来た。
「ちょっと気になるんだ…」と。
そのおじさんはぼくの弟から賽銭箱が盗難にあったということ聞いていたらしく、
そのことでぼくを呼び出してくれた。
「あそこに置いてあるのは賽銭箱じゃないかなぁ、二三日前からあってね、でもその前は無かったんだ、絶対に無かった。」と。
ぼくは心臓の鼓動が早くなったのと、「おじさんマジっすか、」と大声になったのがわかった。
そこに行ってみると、雨ざらしにならないようにしてくれたのか、軒下にしまい込むようにそっと置いてあった。
驚いた。
思わず手を合わせた。
手を合わせてすぐ、おじさんにお礼を言った。
少しばかり雨に当たったのか色が少し褪せていたけど紛れもなく51年間見てきたお賽銭箱だった。
 
戻ったお賽銭箱を元あった四角い跡がついた場所に戻してから母を呼んだ。
ぼくが「見て」と指をさすと、はっと息をつき、母もすぐに手を合わせた。
そしてそのあと一言ぼくに言った。
その言葉はぼくだけに秘めておきたい。
 
 
このお賽銭箱の裏には歴史が書いてあり、
その誕生は、昭和32年だった。
だからいま60歳。
ぼくは数年前に本堂の大規模修繕工事をした。
その数年前に、古くなったお稲荷さまを新築しなおした。
そして今回このお賽銭箱を心を込めて直そうと思う。
そんな機会を与えてくれたこの物語りから、ぼくは林家の歴史への敬いと、与えられた宿命という大切な気持ちを刻むことができた。
 
 
 
平成29年10月27日(金) お賽銭箱 帰還
忘れないためにここに綴らせて頂きました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 hako
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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青空をありがとう。
航空ショーの日、マニアはみんなそう思うんじゃないかな。
気温も少し上がってとても気持ちのいい日。
 
すぐに消えてしまう煙に名残惜しまぬよう
しっかりとその時間を楽しんだ。
 
 
 
 
 
blue1
 
 
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得られるものは。

10月も半ばを過ぎ秋の長雨には少しずれた感じがあるのだが、この空は数日続いている。
現場に向かうときほとんどぼくが運転するのだがたまに後ろに乗せてもらえるときがある。
ゆられる車中、ぼくは窓越しの濡れた木々に目を向けた。
すると外が雨のせいもあるのか、車の窓ガラスが鏡のようになって車内が映し出されているのに気づいた。
目線を向けると設計チーフとデザイナーの何気ない会話と笑い声が聴こえる。そしてまた窓の外の雨と流れる景色に移すと、水たまりを蹴って走る銀のトラックの音が聴こえた。
 
人はその一瞬に二つのことを知ることはできないのか。
それはあたりまえのことなのか。
 
そんなことはわかっているのだが、ここでまた、大切な物語りはその一瞬に力を注ぐことでしか得ることができないという事に気づかされる。
誰もがわかっていることなのだ。
しかし、それでも…とか、
どうにか…とか、往生際を悪くしてみたい。
 
気がつくと二人の会話が笑い声から今むかっている現場の話に移っていた。
何やら真剣に話をしていた。
ぼくは外に目を向け、車が風を切る音を後ろに聞きながら少しだけその話に耳を傾けた。
そしてちょっと寄り目っぽくして目線のピントをずらし、車窓に映る二つの景色を同時に見つめてみた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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