Monthly Archives: 3月 2014

福島からの風

親を思い、弟を思い、自分を取り巻くまわりの人々に感謝し、

 

威張ることをせず、自慢じみた言葉も全くない心からの声、

 

自らの意思をしっかり持ち、決して揺るがず、

その道を信じて歩み続ける姿を再び目の当たりにし、

 

ぼくは圧倒されるような力強さを感じた。

 

 

原発からほど近いご実家では、先祖代々からの農家という命を捨て、

 

すべてを変えなければならない事態に直面したんだそうだ。

 

 

「でもね、原発サマサマなところもあるんですよ、、、」

 

彼の仕事は途切れることなく、どこに行っても引っ張りだこの人気者のようだと。

 

80歳を超えた長老方々も除染の仕事に行って、その歳ではもらえないような賃金を得る。

 

仮設住宅、仕事の斡旋、けれど、、、

 

 

「変わっちゃいましたよ。」

 

あの震災が起きる前と、まったく変わってしまった彼の地元は、

 

人々もまったく変わってしまったそう。

 

日本全国から来る労働者たちへ仕事を斡旋し、急に金持ちになってしまった人、

 

ここに来れば今までもらっていた賃金より多く稼げるし、仮設住宅もあるから、全く困らないといって。

そんな人たちは夜な夜な飲みに行っては、そこら中で喧嘩が始まることも多いらしい。

 

 

彼にしかできない仕事、

 

今回ぼくはそれを求めて、彼を呼びたかった。

 

でも本当は、

 

ちょっと仕事で考えるべくことがたくさんあり

 

それを彼に戻してもらいたかったのかもしれない。

 

 

鼻の奥をツッと刺す冷たい福島の風。

 

その空気を思いっきり吸いこみ、

 

目を閉じて口を尖らせ、息を細くゆっくりゆっくり吹き続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 140311

 

 

 

 

 

 

 

投稿者: hayashi 日時: パーマリンクLeave a commentトラックバック

主人公

 

その陣に入る心構え

 
己の邪念を消し、心身を清めるべく、穏なる鼓動を持ち向かう。

 
足音にさえ気を使うこと、
 
しかしそれは幸なることと気づく。
 
開くはずのない扉に魔法をかけて、ふっ と押してみる。
 
すると、
 
張ってある糸が、するりと抜ける感触があった。
 
 
 
 
ニューヨーク、グランドセントラル駅の「アンティークキー」。
 
香るソープに描かれた花は「プルメリア」 花言葉は、気品。
 
青色の一番はオーガスタだと。
 
 
 
 
でも本当は、
 
そうではなくて、本当はあなたが主人公なのに、
 
向けられる鏡越しのライトの眩しさに目がくらんだ。
 
 
 

飾りのない話しに花が咲き、一通り腹を抱えて笑ってみたら、
 
すっと、ぼくの魂に舞い降りてきた何かを感じた。 
 
そうか、ここでは、
 
ここでは、ここに来る人が主人公なんだ。
 
 
 
 

ちょっと陽が長くなった三月の帰り道、
 
ぼくは日々の積み重なる行動の山に埋もれてしまっていた黄金色の輝きを見つけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

140307

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

投稿者: hayashi 日時: パーマリンクLeave a commentトラックバック